N e w  Y o r k B l o w -NYでもタコ焼きを焼く英国人へ- -495ページ目

キャンペーン


昨日、全部書いていたのに消えてしまった文章を、
これから書く。
めちゃくちゃ、気ィーーー悪いわ。
思い出すだけで溶岩を噴出す様に、瞬間的に爆発できる所が可笑しい。
さて気を取り直して...。

大統領選真っ只中のアメリカ。
そんな中、選挙が終わる前日の11月3日までマンハッタン歴史協会で、
「大統領選キャンペーングッズ展」なるものが開催されている。
アメリカでは、大統領選の年に各候補者が行う選挙キャンペーン時に、
各候補者が色んなグッズを作成、それを支持者に販売し、
選挙資金を得るという構図になっている。

現在の主流は、野球帽、Tシャツ、ポロシャツ、マグカップ、缶バッヂ、
そして候補者のプレート等々。
このグッズはアメリカではコレクターズアイテムにもなっているという位、
本当にポピュラーなのだ。
ニュース映像でも診た事がある筈だ。

それらグッズを集めたのが、この展覧会である。
この展覧会には歴代の大統領が行ったキャンペーンの時に作った、
様々なグッズが展示されており、
近代アメリカの歴史を勉強出来ると思った位だった。

有名どころでは、凶弾に倒れたケネディのに始まり、アイゼンハワー、
ニクソン、ジョンソン、実は恐妻家だったリンカーンなどの、
キャンペーングッズが綺麗に保存され、
それを見られるだけでも凄い事だと思った。
グッズは大抵缶バッヂ、マグで、この辺は今と変わりないが、
昔はバンダナ、ハンカチ、ポスター等、
今ではもう無いバラエティ豊かなアイテムが有り、
各候補者は何をグッズにするかででも、
競っていたという事がよく判った。

そして、大きく違う点がもうひとつあった。
それは写真の代わりに、紙幣の様な精密な肖像画が多いという事だ。
リンカーンの代までいくと写真を転写して印刷するという手法が、
まだ無かったせいか肖像画の印刷物だった。
現代の印刷技術の進歩を感じざるを得なかった。

この展覧会をみて感じることは、
アメリカ人は自分達の代表を直接的に選んでいるんだという事だった。
こうしたグッズを1つ1つ買っては、候補者の選挙資金の援助をし、
またそれとは別に「寄付」という名目でも小額ながらも資金援助をする。
日本とは違った形の眼に見える支援方法だ。
勿論、選挙には巨額の資金が必要なので、これだけでは足りないので、
企業からの資金援助もある。しかし、日本ほどダークではない。
候補者の誠意を信じ、それが自分達の為になるんだと信じるからこそ、
身銭を切ってでもその候補者を熱狂的に応援し続け、
グッズ購買や小額の寄付を続けるのだ。
いかにもアメリカらしいやり方だ。

しかし今の支持者はネット社会の恩恵を受け、党大会などには行かず、
ネット上で、「寄付」をする人が増大している。
主に若年層有権者はクレジットカードを利用して、
ネットバンキングみたいに「ネット寄付」をしている。大変便利だ。
勿論、これを利用した支持者の住所・氏名・電話・寄付金額等も、
ネット上で公開されている為、このリスト掲載敵陣支持者には、
電話やDM等の勧誘は掛けないとこれまた合理的になっている。
(でも、逆にこれも怖いと思う)
逆に彼らはグッズを買う事は無く、
「ダサいグッズを買うくらいなら、ネットで寄付するよ」ととてもドライだ。
狭いアパートに暮らす多くの若者達は、
要らない物を持つことすら拒否するようになっているのだ。
例えそれが支持者のグッズであったとしても。

今度の選挙は現在時点でブッシュが少しだけ優勢だ。
だが大抵のニューヨーカーは、ケリーを押している。
正確に言えば、「ブッシュ以外の誰か」を押しているのだ。
それは別にケリーである必要は無い。ケリーでなくてもいいのだ。
ただ、今回はエドワーズが負けてしまった事で、
その選択肢が無いから、仕方なくケリーを応援してるというのが本音だ。
彼らも風見鶏のケリーを知っているから、然程期待はしていない。
目的は唯一つ、「ブッシュを降ろせ」なのだ。

日本では考えられないグッズ作戦だが、きっと日本で同じ事をすれば、
在庫が余りまくって、処分に困る筈だ。
だから、彼らの言い分もとても解判る。
ダサいものは持ちたくない、でも資金援助はしたい。
なのでネット寄付は、彼らにすれば格好の方法なのだ。
街で若者にこの事を聞くと、こう返って来た。
「もっとクールならバンバン買うよ」

クールなグッズは、何時現れるのだろうか。